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「19歳 一家四人〇〇犯の告白」永瀬隼介(著)

作業の合間に
凄惨な事件をまとめているゆっくり実況チャンネルをながしっぱなしにしていて
某事件があまりにも酷く、詳細が気になり中古にて購入しました。

ざーっと流し読みだったので、的外れなことを書くかもしれないけれど
感想雑文を残しておきます。

この関光彦という人物に関しては
「他のワルと比較して自分の悪事の方がマシだ」という考え方が根本にあるのが
鼻につくというか…読んでいて、そこがかなり印象に残りました。
当時の未成年だから、という免罪符より、そっちの考え方の方が気になる。
理解しがたい。本作を書かれたジャーナリストで作家の方も
最終的に「理解できない人間」として突き放している感。
はじめは、関光彦をなんとか理解しようとしたのかもしれません。

他の悪事よりマシな悪事って何…。
自分は他のワルよりやっていることがマシって何なのだろう。
他者と比べる所は、強烈な劣等感の現れにも見える。
幼少期の、〇〇にくらべて自分の家庭環境は劣っている、みたいな劣等感が
自分の悪行を他の〇〇よりマシである
無理やり転化することで精神のバランスを保とうとしているのか?
自分や他者でも、何かと何かを比べるという時点で惨めな気がする。
そして自身の犯罪を「みっともない」…とは?
惨めということなのでしょうか?
「みっともない」と「惨め」の違いを調べたくなった。かなり近い感覚なのでは。
自分の生い立ち、自分の行為、自分の存在が惨めであると自覚していたのだろうか?
自己憐憫?

その感覚やその感情がとても不愉快。解釈違いと言われても構わない。
別の世界で生きてきて、全く別の価値観を持つ人間なのだと感じました。
この先も、こういった類の人間が私の人生に出現しないことを願う。

しかし、「○○に比べて~だ」のような感覚は誰もが持っているような気もして
もしかすると、潜在的にこういった事件を起こす可能性がある人間は
身近にいるのかもしれないような気がしてくる恐怖もあります。

そして関の強烈な893への恐怖は何なのか。
こっちから見ると関自身も同じ種類の人間に見えるよ。
関光彦は暴力でねじ伏せる力が全て、お金こそが全てという価値観の人間だった。
育った環境がそうさせた
という面だけでは片付けられない何かがあるのですが、それもわからずモヤモヤする。

同じ環境で育った弟の存在がいるから。
弟は別に関のような人間になっていない。
というか、弟さんの描写が少ないような気がします。
取材にはあまり答えてくれなかったのかもしれません。

この本を読んでも、事件への疑問やモヤモヤは何も解決しません。
女性に裏切られた(?)と関自身が感じた事例が2度あったのですが
あそこで結婚した女性がいなくならなければ何かが変化したのだろうか、とか考えた所で
本当に何の解決にもならない、胸が悪くなるような内容。

映画の中のフィクションようなかっこいい殺人鬼なんて現実には存在しない。
気持ち悪いだけ。それだけの読後感。
これが伝わってるということは
作品として成功していると感じました。

※↓ここから以下の記述は
架空の物語の世界として考えた時の「設定」としての発言です。
現実の事件とは無関係です。

一般的な常識が通用しない(あえて私はサイコパスとは書かない)連続殺人鬼に
ジャーナリスト(作家)が取材に向かい
交流をしていき、その内容を記事もしくは本に纏めようとする…
そこで精神的に侵食され壊れていく作家という構図に惹かれる人もいるかと思います。
創作される方は一度読んでおいてもいいかも…です。
創作にする場合、完全悪の犯人側に何かもっと人間的な魅力が欲しい。
あとはジャーナリスト側にも、もっとどん底まで追い詰められるような描写とかを加えるとか。
「レッド・ドラゴン」のグレアム捜査官みたいに。

と思っていたら、この本を書かれた作家さん
こちらの事件を元にフィクションの小説を書かれているようですね…。
うーん…、今のところチェックはしないかと思います。

別のノンフィクションで興味が沸いたのは
「朽ちていった命 被爆治療83日間の記録」なのですが
こちらは本自体も手元に置くのがなんだか嫌で
購入に至らず…です。
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